メーカーの姿勢も変わるのか

KawasakiがZ1/Z2のシリンダーヘッドの再生産を始めると。

リリースから既に50年以上が経過してもなお人気の高いZ1/Z2でも機械的な消耗は避けられず、Z1/Z2はシリンダーヘッドのクラックに悩まされるオーナーも多いのだとか。ピストンくらいはなんとかなりそうでもシリンダーヘッドとなると有志や専門店で再生産というのは難しいですよね。シリンダーヘッドだけで全てが解決するわけではないのでしょうけど、入手が難しいパーツをメーカーが再生産してくれるというのは朗報でしょう。

Kawasakiだけでなく、最近は一部の旧車(二輪・四輪共に)でパーツの再生産という動きが目立つようになってきた気がします。

先日参加したStreet VWs Jamboreeでも感じたんですけど、既に生産が終了している古いVWのイベントにVolkswagen Group Japanが全面協力というのは結構画期的なことではないかと思うのです。

当然のことながらメーカーは自社の生産・販売する新車を買ってもらわなければ利益を上げられません。古い車種を大事に乗ってる方に対して一定の感謝はあれど、パーツすら供給していない旧車を後生大事に乗られても1円の売り上げにもならないわけです。かつてヤナセが水冷時代に入っても空冷VWの純正パーツを大量ストックしていつでも買える状態にしていたのは当の昔に終わってますしね。それを新車買ってくれない空冷VWオーナーのためにメーカーがあそこまで尽力するというのはリターンがあまりにも少なすぎて申し訳ないくらいかと。

Kawasakiだってシリンダーヘッドがダメになったなら新車のZ900RS買ってよ、なんて気持ちもなくはないでしょう。

それでもこうしてパーツの再生産やレストア事業の展開、イベントのバックアップなど、旧車に対してのメーカーの姿勢が変化してきているのは、これからの人口減少に伴う売り上げ減を見据えている・・・というのは考えすぎでしょうか。

やがて来るであろうEVの時代。旧車はおろか燃費のいい内燃機関ですら肩身の狭い時代になるかもしれません。近年の地球温暖化を考えればエゴで旧車に乗るのも気が引けてきますが、せめて趣味の世界だけでもいい時代が長く続いてほしいなと思います。