去年、スポーツスターを買ったお店がバイクのレンタルをやってまして、スポ購入時にレンタルサービス券を頂いたんですね。
で、その有効期限が迫ってきてたので、せっかくなら何かレンタルしてみようと前から興味のあったコイツをレンタルして乗ってきました。
DUCATI SCRAMBLER。
4種類のスタイルがラインナップされている中で一番ベーシックなICONです。
初めて見る実物は想像よりコンパクト。
跨ってみると175cmの私なら両足ベッタリで車体も軽く、まるで400cc並み。
絞りがほぼゼロなくらいの幅広のハンドルバーは最初は違和感ありながらも10分も走ればすぐ慣れるし、アップライトなポジションはストリートユースには調度いい感じです。
イマドキな液晶メーターは視認性もよく、メーター下側でバー表示のタコがやや見づらいくらいだけど、タコを気にしながら乗るバイクでもないのでまぁOKじゃないでしょうか。
座面の広いシートは脚の下りる位置がうまく絞られていて足つきは良好。ただ、見た目ほどクッションの厚みはないので長距離ではお尻が痛くなりました。
肝心のエンジンは、ベースとなったモンスター796より中低速寄りにセッティングされているそうですが、それでもそこはやっぱりドゥカティ、シャープな吹け上がりで高回転まで一気に回っていきます。タラッと走るのではなく、スタートからスパンスパンとシフトアップして一気に100km/hオーバー・・・・なんて走り方が似合うキャラクターかな?800ccでも4000rpmも回せばそこから上は怖いくらいに速いです。
ハンドリングは極めてニュートラルで、勝手に切り込んでいくようなクイックさもなく、ライダーが積極的に関与しないと曲がらないなんてこともなく、アップライトなポジションのまま自然にカーブをクリアしていきます。ブロックパターンのタイヤもヘンなクセは感じません。
明らかにセパハン&フルカウルのドゥカティとは違う、普段着感覚に近いラフに乗れるドゥカティ。
ただ・・・・私の期待してた感じとはちょっと違いましたね。
簡単に言えば、エンジンがシャープすぎる。
なんかね、常に「もっと開けろ!」って急かされてる感じがするのさ。
中低速に振ってる割には3000rpm以下は力がないし、そのくせ回転はすぐに上がろうとするもんだからタウンスピードだとギクシャクするし、シフトも間髪入れずにパパッとすると気持ちいいくらいに加速していくんだけどそれをしないでちょっとサボると回転落ちてつなぎが悪いし、とにかく「ゆっくり」を楽しく走らせてくれない、良くも悪くもシビアな感じなんですよ。
スクランブラーっていう性格上、不正地や林道を景色を楽しむレベルでゆっくり走るシーンは絶対あると思うんだけど、そのスクランブラーならではのシーンで楽しそうな気がしない。ラフロードを想定してるならカブ並み・・・とまでいかなくてもいいけど低速の粘りが欲しいところなんだけどなぁ。
スポーツスターのようにただ走ってエンジンの鼓動だけで楽しめるっていうほどスクランブラーのエンジンにはテイストを感じなかったし・・・・・。
スクランブラーにはドゥカティとしての絶対的な速さより、それを失ってでもスクランブラーでなければ実現できない違う楽しさを持たせてほしかったな、というのが私の印象です。
・・・・と、やや辛口評価にはなってしまいましたが、そもそも私はエンジンのテイストを極端に求めたりするある意味異質な価値観(とは自分では思ってないけど)でバイクを選ぶ人なので、これからスクランブラーを買おうという方にはあまり参考にならないかと思います。
私の期待とは違っただけで、このキャラクターが好きな人ならハマる要素は充分あるんじゃないでしょうか。
4000~6000rpmくらいを使ってLツインらしいパルスを感じながらの加速は気持ちよかったしね。
買う人はハンコ押す前に試乗することをオススメします。