カブをバーハンドル化したので手順をご紹介。
私自身、初めての作業で、作業手順・方法・使うパーツ等々これがベストということではありませんが、これからバーハンドル化を考えている方の参考にでもなれば幸いです。
Amazonで販売されているパーツについてはリンクも貼っておきますので参考にしてください。
それでは作業開始。
バーハンドル化に伴い配線作業もあるのでバッテリー端子を外しておきますが、ウチのカブはアップマフラーでマフラー付いてると右サイドカバーもレッグシールドも外せないのでマフラーも外します。
マフラーが外れたらサイドカバーを開けてバッテリーを引き出し、マイナス端子を外しておきます。
あとはひたすらバラしていきます。ハンドル廻りのバラし方は解説してるサイトがたくさんあるのでここでは割愛。
ハンドル廻りをバラすと現れるのがバーハンドル化で鬼門となるステムナット。当初買っておいたロックナットレンチがサイズ合わなくて、仕方なく貫通ドライバーで叩いたり、上の2本のボルトを外してハンドルをこねくり回したりしましたが結局外せず、ロックナットレンチを買い直してようやく外せました。
確実なのは↓コレです。
ようやく全てバラせました。
ハンドルポストとハンドルバーを仮付け。
ハンドルポストはKEPSPEED製。今回はレッグシールドやフロントのカバーも残す方向で考えていたので、ベースが丸型のコレなら外にハミ出さずカットも最小限で行けるかと目論んでのチョイスです。
ハンドルバーはハリケーンのコンチミニ1型(HB0003B-01)。幅が600mmとカブノーマルと近く、高さはあまり高くしたくなかったのでこのチョイスです。実際に完成した姿を見て、バランス悪かったら換えればいいやくらいのノリで。
ブレーキ・スロットルも仮付けしてハンドルバーに配線を中通しするための穴位置を決めます。右はブレーキランプスイッチの配線を通す穴をホルダーからすぐの場所に、左はミニスイッチを埋め込む穴をグリップ横に、そして左右から来た配線を抜く穴をハンドルバー中央の下側に開けます。角度もあるのでハンドルバー・ブレーキ・スイッチは実際に乗車姿勢でちょうどいいように調節してから決めないと後で泣くハメになります。
ハンドル廻りは黒で統一するためにパーツもできる限り黒を選択。
位置を決めたら一旦バラし、ミニスイッチ付属のガイドシールを貼ります。中央がカバー取付用のM4、左がウインカートグルスイッチ、右がホーンスイッチです。
あまり美しくないですけどなんとか開きました。中央のM4はタップ加工です。記事で書くとあっという間ですけど実際はかなり苦戦しました。丸はなんとかなるんですけど、角穴は結構大変です。ハンドルバーは後で換えてもなんて書きましたが、この作業をまたやるのかと思うとできればしたくないですね。
穴が開いたら続いてミニスイッチの配線。純正の色分けをできるだけ生かしたかったので外した配線を再利用しました。繋いで、ハンダ付けして、熱収縮チューブで保護します。
あとは全ての配線をハンドルバーに通していきます。ベントカーブの緩いコンチでもすんなりとは通らないのでガイド用の線を先に通しておいて引っぱってあげるとスムーズです(とはいえそれなりに苦労しました)。
今回はFウインカーをバーエンドにするので、バーエンドウインカーの配線が左右各3本(ポジション機能もあるため)、ブレーキランプスイッチが2本、ウインカーが3本、ホーンが2本と、合計13本にもなってしまいました。出口の穴はもう少し余裕あった方がよかったですね。
そしてハンドル廻りを組んでいくとここで問題発生。袋のステムナットに変えたら配線のクリアランスがかなりキツイです。KEPSPEEDのハンドルポストはステム中心とハンドルバーが通る場所がほぼ重なるのでこうなっちゃうんですね。事前確認が不十分でした(反省)。この場合、配線出口の穴はステムナットをかわすように左右2ヵ所に分けた方がよかったかもしれません。
仕方ないのでステムナットは高さを抑えるために純正を黒く塗って再利用。ロックナットレンチは外したら二度と使わないと思ってたのに結局必要でしたね。クリアランスはこれでも充分とは言えない微妙なところですけどまぁなんとかOKとしましょう。クランプの高さがもう10mmでも高ければよかったんですけどね。
ハンドル廻りが形になってきたら今度はメインキーの移設です。移設先は色々考えた結果、定番の左サイドカバーへ。できるだけ目立たないように側面ではなく後ろ側にします。
メインキー穴のサイズはΦ26とのことで、ホールソーがあれば一発なんですけど持ってないので大まかにドリルで穴開けて切開し、あとはドリルにフラップホイールで仕上げていきました。相手が樹脂なのでこっちの穴開けはそれほど大変じゃありません。回り止めの切り欠きはヤスリで削るよりデザインカッターで切っていった方が早いですね。
あとはサイドカバーにキーを取り付け、配線をサイドカバーまで引っぱって中で結線すれば完成。この位置だと走行中にタイヤに巻き込まれそうなのでキーホルダーは使えないですね。
続いてはフロントトップカバーの加工。カットせずにイけるかな~と思ってましたがハンドル切った時にバーが少々当たったので必要最低限だけカット。高さにして10mmくらいでしょうか。ということは、クランプの高さがあと10mm高ければ諸々の問題が解決するんでしょうねぇ。
できるだけ自然なラインになるようにしたつもりでしたが見る人が見ればバレバレですね(笑)中途半端に残すくらいなら一気にバッサリいっちゃった方がいいかもしれません。
アクセルとブレーキのケーブルも仮付けして干渉チェック。ケーブルはどちらもノーマルを使いましたが、ブレーキは若干長め、アクセルは逆に若干短めでした。アクセルはケーブル自体が短いというよりハイスロにしたせいで引き代が増えてそのままだと全閉でもアクセル開けた状態。
そのため、スロットルのストッパー部分を少しカットしました。写真は手前側だけちょっとカットした状態。最終的には奥側も含めてもっとカットしてます。これが正しい方法かわかりませんが、とりあえずエンジンかけていきなり全開になるようなことはなく、ちゃんとアイドリングまで戻せるようになりました。
ハイスロKITに付属のケーブルはハンパなく長過ぎなので使いませんでした。
続いてインジケーターランプの取り付け。まずは幅20mmのアルミフラットバーでプレートを作ります。
ハンドルクランプとプレートを共締めしてLEDパイロットランプを付けました。パイロットランプはウインカーのオレンジとニュートラルのグリーン。LEDなのでランプ自体に着色はされていません。ヘッドライトはハイ・ロー切り替えのないベイツタイプを使用するのでハイビーム用のブルーはナシです。
クランプと自然に繋がるように成型して黒くペイント。点灯もOKでした。
ついでにウインカーリレーも交換。ウインカーはLEDのバーエンドにするので純正のリレーのままでは正常に点滅しませんので、LED対応のICリレーに変更する必要があります。電球タイプなら交換の必要はありません。現状でリアはノーマルのままでLEDと電球が混在してる状態ですが正常に点滅しました。
紹介の順番的にはハンドルバーのところでするべきでしたね。バーエンドウインカーはタイのK-SPEEDで扱っていたDiablo D001というLEDウインカーです。
天気のいい日中はやや光量が足りない気もしますが今さら引き返せないのでこのまま進めます。このウインカーはポジションランプ機能もあって(そのため配線が3本)繋ぐと白く発光し、ウインカー時はオレンジと交互に点くそうなんですが、今回はポジション機能は使わないので白発光はしません。
あと、買った後に知ったんですが、側面のロゴがないだけのほぼ同じと思われるLEDウインカーが他でも売ってて(しかもK-SPEEDより断然安い)、それがすぐ点かなくなるなど低評価もあったのでモノとしてはあまりお勧めしたくないかも。電子部品は国産が確実かと。レビュー通りすぐ点かなくなるようなら別のウインカーに変更します。
続いてヘッドライト。ライトは4.5インチのベイツタイプ。できるだけボディに寄せて付けたかったので薄型をチョイスしました。薄型故にハイ・ロー切り替えはありません。配線はアースがボディアースの仕様でしたが確実にするためにアース線を引き直しました。
フロントボトムカバーのキャリア用ボルトからL型ステーで仮付けしてみるとボディからかなり離れて飛び出てしまっています。コレではイマイチなのでもっとボディに寄せます。
キャリア用のボルトを外してワッシャーで面を合わせます。配線はパネルに穴開けしてフレーム側に通しておきます。
できるだけ前に出ないようにコンパクトに作ったL型ステーは両端を丸く成型してあげればパネルの窪みにジャストフィット。仮付けの時よりかなりボディに寄りました。パネルを残す場合はこれが限界でしょう。ライト下のボルトが少し見た目が悪いので不要な分はカットして袋ナットにでもしてあげればずいぶん良くなるかとは思うのですが、ライトは今後仕様変更もありえそうなのでとりあえずこれでOKとします。あとは配線繋いで点灯確認したらライトは完成。
続いてはレッグシールドの加工。加工前に仮付けしてみたところ、やはりフロントトップカバーと同じく上がハンドルバーに当たる感じだったので同様に約10mmカットします。
フロントトップカバーと自然に繋がるように、外側にも自然なラインになるようになだらかに成型します。
レッグシールドのカットが終わり、取り付けてみると隙間から配線がチラ見えしちゃってたので配線保護も兼ねて黒のビニールチューブでカバー。配線の束が丸く太くなるとレッグとの隙間に収まらなくなるのでできるだけ平らになるようにします。
残るはスピードメーターの取り付け。メーター本体はレッグシールド取り付け用ボルトで共締めするのでその周辺に照明配線用とメーターケーブル用の穴を開けておきます。ちょうどこのウラにはブラケットがあるので照明用の穴はブラケットをかわす位置にしないと配線通せなくなるので穴開け位置は要注意です。
メーターはΦ48mmの極小タイプ。付属のステーは使えなかったので25mm幅のフラットバーでL型ステーを制作。メーターケーブルはノーマルでは長過ぎなので70cmのショートケーブル(純正は94cm)に変更です。
ブレーキケーブルと同様に、メーターケーブルはショートケーブルでも若干余り気味ですがこれ以上短いケーブルがないので仕方ありません。
カブ用のメーターケーブルはCubyさんで複数の長さがラインナップされていますのでご自身の仕様に合わせてチョイスしてください。
あとは各部の閉め忘れや配線等をチェックし、問題なければ全部組み上げて最後にミラーを取り付けてバーハンドル化作業は完成です。
現時点ではバーハンドル化だけで他がノーマルなのでイマイチバランスが悪いように感じますが、その他の部分は今後改良していきます。
レッグシールドは最小限のカットでクリアできました。ハンドルクランプをもう10~15mmほど高くできればカットナシでも行けそうです。カットしたくないという方は工夫してみてはいかがでしょうか。
バーエンドウインカーの点滅はこんな感じです。このくらいの明るさだとちょっと目立たないかもしれませんね。いずれリアも同じLEDウインカーにしようと思ってましたがどうしましょう。
初めてのバーハンドル化作業、実際にやってみて思いのほか大変だったところと、案外すんなりいったところと、様々でしたね。事前にいろいろ調べていたつもりでも用意が足りなかったり、読みが甘かったりした部分もありました。それでもなんとか形にはなったのでOKとしましょう。
カブのバーハンドル化はパーツもたくさんの種類が出てるし、その組み合わせ次第でここで紹介したやり方とかなり変わってくる場合もあると思います。レッグシールドは残してフロントカバーは外す、というパターンならハンドルポストも別のチョイスができますよね。今回はノーマルを使いまわしたスロットルとブレーキのケーブルもハンドルバーをもっと高いものを使った場合は変更が必要になるかと思います。あと、今回はハイスロにしましたがストックあるいはそれに準ずる程度のハイパフォーマンスじゃないキャブの場合はハイスロじゃない方がアクセルワークが自然かと思います。確か角目のカスタムはミリバーだったと思うので、カスタムのスロットル系統を流用できればより自然なアクセルワークにできるかもしれません。あと、配線作業が結構多いので配線図は必須です。
ここで紹介した手順はあくまでも一例として、これからバーハンドル化される方はご自身のプランに合わせて参考にしてください。