今は前に制作した木箱をリアキャリアに載せているカブ2号。この木箱を制作するよりもずっと前、2号が我が家に来てすぐくらいからぼんやりとイメージしていたのが、
「ピックアップトラックみたいな荷台を載せたい」
というもの。
エルカミーノやブラットみたいな、いわゆるセダンピックアップという類のBピラーから斜めにリアへ続くラインのベッドをイメージ。キャリアに荷物を積むトラック的な使い方をするカブならこういうのもアリじゃないかと。
ただ、カブに限らずそんなベッドを載せてるバイクなんて見たことないので当然バイク用ベッドなんてのも市販されておらず、ワンオフで作るにしても誰に頼めばいいのかもわからないし、そもそも何でどうやって作ればいいのかもわからない。具体的な策が思いつかないまま、まずは先にあの木箱を作ったのでした。
で、ぼんやり考えてても進まないので、現物をイメージできるように段ボールで試作してみることにしました。
ざっくりと寸法決めて、側面のRは雰囲気で、小学生の工作みたいな段ボールベッドができました。
ここまでの段階で、方法として一番確実なのは鉄板を切り合わせて作ることかと考えていたのですが、試作してみるとシンプルなようでいて意外と複雑で、その上でコーナーをRにしたいとか考えると鉄板ってのはキビしいような気がしてきました。しかもこんなの作ってもらったらいくらかかるんだって話で。
あとはFRPというのもありますけど、FRPだったとしても元となる型は作らなきゃいけないし、この形では一発で抜けないですよねぇ。
で、考えた結果、「木」で行くことにしました。
ただし、木箱のように板を組み合わせて作るとカドや側面をRにするのが難しいし、できれば継ぎ目のないスムーズな形で作りたい、そうなると無垢のブロックから切り出すことになりますが、ホームセンターの木材コーナーにはそんな大きな無垢の材料売ってないんですよね。
そこで、どん!
ヤフオクで中古の碁盤を買いました(笑)
碁盤って新品はそこそこ高いんですが中古は名工が作った高級品でもなければ意外と安くて、これは2000円で落札できました。その代わりデカくて重いので送料が2000円以上かかりましたけど(笑)。木の種類は不明、重量は15.8kgもありました。
そして試作を参考に切り出していこうとノコギリで切り始めたんですが・・・・この木、メチャクチャ固いんですね。碁盤に使うからそういう性質の木を選んでるんでしょうが、ノコギリが全然進んでいかないし、ある程度進むと切った隙間でノコギリが動かなくなってしまいます。
そこで、チェーンソーをレンタルしました。チェーンソーなんて使うの生まれて初めてでしたが、ここまで来たらもう止まれない。
ぎゅいーーーーーん
使うの初めてだったにしてもヒドすぎる(笑)
チェーンソーのレンタルは1日だけなので、この日はやれるところまでザックリ削って、あとは地道に形を整えていきます。
木工用グラインダー、ノミ、かんな、ロータリーやすり等々、削る道具を駆使し、削って掘って研いでなんとか形になってきました。子どもが小学生の時に使ってた彫刻刀も意外と役立ちましたね。
記事に書いてしまえばあっという間に進んでるっぽいですが、ここまで形にするのはメチャ大変でした。ツールを使ってはいてもやってるコトは極めてアナログ。特に中はツールも思うように届かないので機械で掘ったようにビシッとはいきません。固い木なので進行は牛歩の如くでした。
で、形が整ってくるとチェーンソーで切り過ぎたアラが目立ってきました(汗)
ベッドが形になってきたので載せる準備。カブ純正キャリアはベッドより大きくてハミ出しちゃうのでヤフオクでGetした中古のリトルカブ純正キャリアを使います。面をフラットにするため前方(シート側)のハネ上がったパイプはカットします。
ベッドの位置を決めたらウラからビスで固定。本番はもう少し太いビスを使うので一旦は仮止めです。
キャリアは軽くサビ落とししてブラックでペイント。
木箱の時は箱の下にLEDのシーケンシャルウインカーを取り付けていましたが、今回はベッドには触らずキャリアのリアショックと共締めするステー部分に小さめのLEDウインカーを取り付けました。
ベッドはコーナーやエッジをRに整えて完成。
チェーンソーで切り過ぎた部分もRで誤魔化して目立たないようになりました。
ちなみに15.8kgあった碁盤から切り出して最終的に3.1kgへ。12.7kgも削ったとなればどれだけ大変だったか少しは伝わるでしょうか(伝わらないですね)。
ウォールナットのニスで仕上げ。このあと、サンディングとシンナー拭きで色褪せた感じにしていきます。
本番用のビスでキャリアと結合。
ウインカーの配線は純正ハーネスに合わせてオス・メスに加工しました。
そしてついにベッドがパイルダーオン!
シートとの隙間のラインも狙い通り。ウインカーは目立たないのに光量は充分。
ピックアップトラックの雰囲気は・・・・あんまり出てないし、取って付けたように浮いちゃってますけど(笑)まぁ、誰ともカブらないオリジナルってことで良しとしましょう。
問題は実用性です。元々ルックスのみで考えてたので積載性は度外視ではあったのですが、500mlペットボトル3本程度、しかも跳ねたら全部吹っ飛ぶ底の浅さはあまりにも実用性がなさすぎる。一応キャリアのフックは残しておいたので紐やネットで抑えるのは可能だけど・・・・何かスマートに荷物を固定できる方法を考えるとしますか。
で、作ってみて思ったのは当り前ですが、手ではそんなに正確に思った形にはできない、ということ。碁盤が届いたくらいまでは切り出しがこんなに大変なことになるとは思ってもみなかったので甘く考えてましたが、もし再制作することがあるならば素直に板を組み合わせる方法を選ぶと思います。
あとは可能かどうか調べてませんが3Dプリンターという方法もありますね。3DCGは作れるので3Dプリンター用のデータも作れるハズ。あとはこのサイズを作れるプリンターがあるのかどうかとか、3Dプリンターならではの注意や工夫、いろいろ勉強は必要でしょう。もしコスト面もクリアできるなら一度何か作ってみたいなぁ。
2024.5.10追記 ウインカーの明るさ参考動画
ウインカーの明るさはこんな感じ。小さくても十分明るく光ります。これで長く壊れなければ最高。#スーパーカブ pic.twitter.com/uuxPiPaPWN
— D-Style【公式】 (@dstylemk) May 10, 2024