【スーパーカブ】カスタマイズ工程

スーパーカブ

昨年からカスタムを進めていたカブが公開になったので、ここに至るまでの工程も公開します。

 

フレーム

バーハンドル化までは進んでいずれリアも加工・・・と思ってたところに制作途中でFor Saleになった加工済みフレームをGetしたことからカブカスタマイズが方向転換。サブフレーム追加までは考えてなかったんですが、せっかくなのでこのフレームを活かす方向で進めることにしました。

 

リア

リアはショート加工されていましたが、更に中央のリブをスムージング加工。自分じゃ溶接できないのでCORE CREWさんにお願いしました。

 

Fフォーク

Fフォークのキャリア取り付け用の穴もスムージングです。

あとはテールランプを仮フィッティングして取り付け用の穴を開けたらペイントへ。

 

カブフレーム

選んだ色はスズキ・エスクードに使われていた「アトランティス ターコイズ パール メタリック」。写真に写ってませんがもちろんFフォーク・スイングアーム・サイドカバー・タンクも同じ色でペイントしてもらいました。

 

カブ

エンジン・足回り・電装品などは前カブから総移植するので、まずは電装品から移植していき、電装のセットアップと並行してリアウインカーとテールランプの取り付けをします。

 

ミニクロッカー

使用するテールランプはミニクロッカータイプ。チョッパーによく使われるテールランプですが、Rフェンダーの幅が広い大型車ならそのまま付けられるのに、カブのRフェンダーは幅が狭くRもキツイのでテールランプ後ろ側がそのままではフィットしません。

 

テールランプステー

そのためアルミ板でこんなステーを制作。テールランプのナンバー取付穴は日本のナンバーと合わないのでナンバーのアダプターも兼ねてます。最初は1mmで作ったのが薄すぎて強度が不安だったので1.5mmで作り直しました。

ちなみにカットも曲げも全部ハンドパワー(笑)

 

テールランプ

作ったステーは微調整してから黒にペイントしてフェンダー後ろに取り付けます。緩み防止のためにボルトはロックタイトを塗布。

 

テールランプ

こんな感じでテールランプをセット。テールランプ・ステー・フェンダーの3つ共締めで意外としっかり固定できました。

 

テールランプ

テールランプ台座部分とステーがフラットになるようにしたのでナンバープレートの取り付けも問題ナシ(写真のナンバーはショー用に作ったもので原付バイクサイズよりかなり小さいものです)。

 

ウインカー

続いてリアのウインカー。ウインカー本体はバーハンドル化の際に使用したLEDのバーエンドウインカーを使用します(このために4つ買ってあった)。

 

リアフェンダー内部

しかしリアはバーエンドとしては使わないのでそのまま取り付けるとボルトが長く飛び出るので、不要になったブッシュ分の長さをカットします。

 

リアフェンダー内部

ボルトをカットして取り付け、あとはテールの配線と合わせて保護用チューブに通してあらかじめ開けておいた穴からタンク下まで配線を延長。フレーム内でハーネスと繋げばウインカーとテールランプのセットアップは完了です。

 

Fフォーク

Fフォークは特に加工もなくそのまま使いますが、取り付け前にフォーク内側にLEDテープを仕込んでおきます。ココ以外にもメインフレームの下、Rフェンダーの内側にもLEDテープを仕込みます。

 

ハンドルポスト

ハンドルポストはバーハンドル化の際に使ったKEPSPEED製をそのまま使います。レッグシールドで隠れないので買ったフレームについてきたものや自分のから外したのをいくつか組み合わせて高さを調整しつつ中が見えないようにセットしました。

ハンドルからの配線は前は手前側に落としてレッグシールドの中に隠してましたが今回はレッグシールドが付かないのでステムシャフトの中を通します。なのでステムナットも引き続き純正のオープンナットを使用。

細かいところでは横から留めるボルトもステンのボタンタイプに変更しています。

 

ヘッドライト

ヘッドライトも今までの4.5インチベイツタイプを引き続き使用。フロントのカバーもなくなるので取り付け方も変更です。への字型のステーを作って配線を通しておきます。

 

ヘッドライト

できるだけ低く、できるだけ奥にいくように、こんな感じで取り付け。

 

ヘッドライト

あとはグイっとライトを持ち上げればセット完了。ステーも配線もあまり目立ちません。

※完成後、試走したところアルミでは強度が足りなかったのでステーはスチールで作り直しました。

 

ハンドル

続いてハンドルからの配線を通していきます。今回はステムシャフトからメインフレームの中を通してタンク下まで伸ばさなければいけないので、とにかく配線を太らせるわけにいきません。なのでギボシは使わずハンダ付け&熱収縮チューブでできるだけコンパクトかつ1本でまとめます。配線も買ったフレームについてきた配線を再利用して同じ色にできるものはできるだけ統一しました。

 

ハンドル

かなり詰め込み過ぎな感じですね(汗)。バーエンドウインカーやパイロットランプの線がなければもう少しマシだったかも。

 

配線

ステムシャフト下から出てきた配線はここからメインフレームの中へ。ここだけは露出してしまうのは仕方ないのでコルゲートチューブでカバーします。

 

カブ

メインフレーム内を通ってきた配線はタンク下で接続。本当はメンテナンス性を考えてサイドカバー内で接続できるようにしたかったんですが、メインキーやLEDのスイッチ、ホーン等を入れ込んだので大量のコネクターは収まりませんでした。

 

サイドカバー

キーの上に設置したLED用のスイッチ。イグニッションONと関係なく点灯できるようにヒューズをかませてバッテリーに直接接続しています。

 

センタースタンド

続いてセンタースタンドとリアブレーキペダルの取り付け。スタンドは今までのはあまりにもサビがヒドかったので純正新品を購入。ペダルは多少のキズはあったものの目立たないところだったので磨いて再利用。スタンドのストッパーゴムはそれほど劣化してなかったのでこちらもクリーンナップして再利用。スプリングは新品に換え、三日月型のフックは黒にリペイントして再利用。シャフトも再利用です。

 

カブパーツ

続いて足回りパーツの塗装。いろいろ検討した結果、今回はホイール・ブレーキなど一式をガンメタリックで統一することにしました。バラしてクリーンナップして缶スプレーで吹いて・・・を小分けにして進めていきます。

 

カブパーツ

ちょっとだけこだわったのがフロントサスのアーム。純正は鋳肌そのままの梨地仕上げですが、梨地を消してスムージングしてみました。ただしめんどくさいので見える前側のみ。塗って組んでしまえばあまりわからないと思いますけどね~。

 

ホイール

ホイールもスポークまで含めてガンメタ塗装ですが、リムはメッキをそのまま残すのでニップル部分でマスキングして塗ります。

 

ホイール

塗り終わったらニップルをボディと同じアトランティスターコイズパールメタリックでアクセントを加えます。詳しく書くほどの内容じゃないですけど、マスキングもニップルの筆塗りも地味に面倒です・・・・。

 

カブパーツ

購入時に延長されていたスイングアームに合わせてリアブレーキのロッドとトルクロッドも延長しなければなりません。ノーマルのスイングアームと比較したらちょうど70mm延長だったので2つのパーツも70mm延長。知人から1ペア譲っていただけたので70mm伸びる位置で双方をカットしてニコイチ溶接。仕上げはホイールと同じくガンメタでペイントしました。

 

カブ

足回りパーツが仕上がったら仮組みしていきます。リアショックは純正より20mm長い350mm・メッキボディ・黒スプリングのOKD。今回はストックハイトでいくのでこれでほぼノーマルと同じ高さになりました。細かいところではチェーンアジャスターもメッキタイプに変更しています。

 

カブ

前後の足回りが付いてだいぶバイクっぽくなってきました。そろそろ屋内での作業がキツくなってしましたね(汗)

 

メーターステー

フロント足回りはほぼOKなので次はスピードメーターの取り付け。アルミフラットバーでこんなステーを作りガンメタで塗装。実はここまでメーター取付場所はノープランで、限られた場所・ケーブルの長さと取り回しを考慮した結果、ハンドルポスト下の右側にボルト留めしました。

 

スピードメーター

あとはメーター付けてケーブル繋げば完了です。メーターの照明はどうせ繋いでも暗すぎてほぼ意味ないし、配線が露出するのもイヤだったのでOFFに。

 

カブ エンジン

続いてはエンジン。基本、チューニング等はせずにこのまま行くので見た目を小綺麗にするのがメイン。できれば全部ピッカピカにしたいところですが、シリンダーがスチールのため磨けないし、複雑な形状のヘッドを磨く自信もなかったので腰下だけ磨いて腰上は黒ペイントにすることに。

 

カブ エンジン

しかしこれがやり始めるとキリがない。多少のアラは妥協してほどほどのところでやめておきます。

 

エンジンカバー

左のカバーはフレームのペイントをしていた頃に先に磨いてありました。こちらもキリがないのでほどほどレベルで。

 

カブ エンジン

ケースが仕上がったらマスキングして腰上を耐熱ブラックでペイント。全部真っ黒ではつまらないので左のカバーだけ磨いて、タペットキャップは社外のクローム品にあとで交換します。

近所のホームセンターにはツヤありの耐熱ブラックが売ってなかったのでディトナのスプレーを購入しました。

  

スーパーカブ

エンジン搭載のため久しぶりに太陽の下へ。ここからの作業はガレージ内で行います。

 

スーパーカブ

載せるのはサクッと完了。あとは配線繋いで補機類付けてと進めていきます。

 

スーパーカブ

キャブはこれまで使っていたPZ20をそのまま使いますが、アダプターを介して向きを少し横に向けます。

 

ステップ

ステップはそれほどヒドい状態じゃなかったので軽くペーパーで均して黒でリペイント。ステップのゴムとサイドスタンドのスプリングは新品に交換しました。

 

スーパーカブ

マフラーは変更するのですがこの時点でまだステーを作ってなかったのでこれまでのアップマフラーを付けてエンジン始動確認。オイル入れて、プラグは新品に交換して、フューエルラインを繋いだら、数回のキックであっさり始動しました。さすが横型エンジン~~。

 

スーパーカブ

エンジンは無事にかかったので新たに変更するダウンマフラーのセット。元々はシャリー用のマフラーらしくそのままポン付けはできないのでスチールのフラットバーからステーを作ります。

 

スーパーカブ

無事にマフラーも装着完了。シートも仮付けしたらこれでほぼ完成に近いくらいまで来ました。

 

スーパーカブ

ロングになったスイングアームに合わせてチェーンも長いのに変更。チェーンカッターとかは持ってないのでプロにお願いしました。

 

シート

シートはこれまでのグランドソロシートだと後ろが長くてショートにしたテール廻りとバランスが悪いので、もう少し短めのソロシートに変更。タックの向きが違うのは気分です(笑)

 

シート

せっかくスムージングしたところも隠れたらもったいないですもんね。

 

シート

シートの開閉も問題ありません。シートの先端部分やサブフレームの結合位置によってはシートが開き切らずに給油できない(しにくい)場合もあるので、サブフレーム追加する方は事前に組み合わせるシートも決めて開閉できるか確認しておいた方がいいです。

 

スーパーカブ

これでほぼ形になったのでいよいよナンバーをゲット。無い方がシンプルにできるけどリーガル仕様を目指してるのでちゃんとリフレクターも付けてます。

 

スーパーカブ

仕上げはサイドカバーに「Cub unlimited」ステッカーを。

これにてカブのカスタムはフィニッシュです~♪

 

スーパーカブ
スーパーカブ
スーパーカブ
スーパーカブ
スーパーカブ
スーパーカブ
スーパーカブ
スーパーカブ
スーパーカブ

基本的なカスタムの方向性としては「極力シンプルに」ということ。モールレスやスムージングを行うCal Look的なイメージですね。ヘタに飾り立てず、削れるところは削る。なので配線の中通しやリアフェンダーのスムージングは必須ポイントでした。ただ、リアフェンダーに関してはどこまでやるかは難しいところですよね。今回はカットされたフレームから作ることができたのでここまでやりましたけど、前のフレームのまま進めていたらカットだけでスムージングはしなかったかもしれません。

色のチョイスやLED照明のセットなどはカブ主総会へのエントリーを念頭に考えました。前年、エントリーした際に会場で感じたのは屋内故に微妙に暗く、いくらカッコよくても地味だとまるで目立たないということ。なので明るめの色で、かつギラギラしたメタリックという基準で選び、ヒカリモノでキラキラさせる、というカブ主総会ディスプレイ前提でのチョイスです。屋外ならLEDまるで必要ないですしね。

あとは、最低限かかるコストはあるにせよ、自分でできるところはできるだけ自分でやって、ムリなところはプロに任せる、高いパーツでも譲れないところは譲らず、その代わり再利用できるものは再利用するなど、工夫次第でお金をかけずともいいカスタムができる面もありますし、それができるのがカブカスタムのおもしろいところ。今回作ってみていろいろ勉強にもなったし、自分で手間をかけた分、満足度も高いです。

 

そして、

本当は2020年6月に予定されていたカブ主総会にエントリーすることを目標に進めていたカスタムでしたが、新型コロナウイルスの影響によりイベントは軒並み中止になってしまい、このカブをお披露目できる機会も失ってしまいました。

イベント当日に初披露となるようにシークレットで進めていたので、イベントが中止になったことで翌年のイベントまでシークレットのまま通すか、イベントでの披露は諦めて普通に公開しちゃうか、いろいろ迷ったんですが、ちょうど雑誌モトモトさんの取材が新潟であるということでお誘いを受け、それなら取材された記事が本に載った時点でお披露目ということにしちゃえと方向転換。

モトモト取材

11月某日に取材を兼ねた新潟市内クルーズにお邪魔させていただき、2021年4月号にて晴れてお披露目となりました。

モトモト

このカブのフレームを譲ってくれたのも、取材兼クルーズに誘ってくれたのも「ほんでるず」のNさんだったというのが不思議な縁を感じます。Nさん、ありがとうございます。

 

おかげさまでカブのバーハンドル化の記事がここ何ヵ月もアクセス多くて、せめて多少でも参考になってくれていたのなら幸いですけど、取り立てて特別な内容もないので期待を裏切っていたのなら申し訳ないです。

第2形態となるこのカスタムも多くの方にとっては「へー」で終わる内容だとは思いますが、何かのヒントにでもなってくれたら本望です。

あ、やる時は自己責任でお願いしますね。